いま韓国で大流行中のリジュラン® その効果と施術方法を解説 2025.04.22

「リジュラン®」はサーモンから抽出されたポリヌクレオチドを有効成分とする注入剤の名称です。韓国の製薬会社ファーマリサーチ社が開発。その成分の由来から「サーモン注射」の名前で知られています。また、韓国国内では「リジュラン®」に「ボトックス」をかけ合わせた施術が「女優注射」と呼ばれ、透明肌になれると大人気に。

この記事の監修ドクター

腎内科クリニック世田谷美容・再生医療外来医師
松下洋二

鳥取大学医学部卒業後、京都大学医学部形成外科入局。1995年～有名美容外科分院長を歴任し、大学附属病院、他関連病院にて形成外科、美容外科分野の研鑽を積む。2007年に都内有名美容クリニック美容診療部長に就任。現在に至る。レーザー治療、注射、糸などを組み合わせたエイジング施術が得意。

日本美容外科学会正会員/日本形成外科学会正会員/日本美容医療協会正会員/アラガン社ボトックス認定医/アラガン社ヒアルロン酸認定医

「リジュラン®」自体は10年前に発売開始された注入剤ですが、今ではその成分を配合したホームケア用コスメなども販売され、美容皮膚科級の効果があると口コミで話題になっています。韓国土産の定番として人気です。ファーマリサーチ社とは別の会社から「リズネ」という名称で後発品（ジェネリック）が発売されたこともあり、相乗効果でさらに話題に。日本からも渡韓して施術を受ける人が増えるなど、その人気はとどまるところを知りません。

サーモン由来の「リジュラン®」って何？

主成分であるポリヌクレオチドには、細胞の活性化と再生促進、抗炎症作用、血管新生促進、保湿力向上などの効果が報告されています。

ポリヌクレオチドを注入することで皮膚の線維芽細胞を刺激し、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力やハリを保つ成分の生成を促します。また、傷ついた細胞の修復を助け、新しい細胞の生成を促進。炎症を引き起こす物質の放出を抑制し、肌の赤みや腫れを抑える効果が期待できます。ヒアルロン酸の生成を促進し、肌の水分保持能力を高める効果もあります。

リジュラン®で使用するポリヌクレオチドはサーモンから抽出されたものです。サーモン由来のポリヌクレオチドは、人体のDNAと非常に近く、生体適合性が高いので、異物反応などの副作用リスクが少ないことも知られています。リジュラン®配合のコスメも存在しますが、有効成分を肌の深層までダイレクトに届けるには、やはり水光注射がより有効な手段です。極細針で直接注入することで、成分が肌全体に均一に広がり、より高い効果を実感しやすいでしょう。

水光注射って痛くないの？

「水光注射」は、ヒアルロン酸など美容成分が含まれる薬剤を、専用の機器を使用して肌全体に注入する、美容大国・韓国発祥の治療法です。韓国では、若々しくハリのある、潤いに満ちた肌を“水光皮膚”と呼んでいることに由来し、この治療が広く浸透しています。「水光注射」専用のマシンを使うことで、肌を吸引しながら薬剤を均一な量・速度でまんべんなく注入することができ、肌全体の保水力アップやくすみ、小ジワ、たるみなどの改善に効果的です。手軽に受けられて、治療効果がはっきりと現れるのが特長で、自然な肌の若返りを実感できます。

腎内科クリニック世田谷美容外来では、水光注射専用マシンとして、韓国のトップメーカーであるコンタック社の『ベラヴィータ（BELLA VITA INJECTOR）』を導入しています。ベラヴィータは、手打ちの注入治療では難しい真皮の浅い層から深い層まで、美容成分が含まれる薬剤を均一に、かつ広範囲に注入できます。

水光注射は注入する美容成分の種類によって、「ハリ」「小じわ」「毛穴の引き締め」「美白」「肌質改善」などさまざまな効果を得ることが可能です。名称は「注射」ですが、9本セッティングされた極細の32Gの針で、皮膚を吸引しながら薬液を注入する機器です。注入時の痛みやダウンタイム、腫れ、内出血などを最小限に抑えています。

水光注射と手打ちの違い

水光注射と一般的な手打ちの注射ではアプローチが異なります。それぞれのメリット、デメリットを紹介します。

	水光注射	手打ち
針	9本の針でスピーディーに注入	機械よりも小さい針が使用可能
メリット	・痛みが少なく膨降疹（皮膚の凹凸）がなくなるのが早い	・細かい範囲にも注入が可能・目のキワなど細かい範囲にも注入が可能・とろみの強い製剤にも向いている
デメリット	・目のキワなど細かい範囲への使用が難しい・とろみの強い製剤は向いていない	・膨降疹が治るのに時間がかかる・1針ずつ打つので痛みを感じる回数が多い